びぼうぶろぐ。

基本的に自分の備忘録のためですが、同時にどなたかのお役に立てればと思いながら書いています。

NHKBS1スペシャル「シリーズコロナ危機 パンデミックは収束するのか~世界の専門家が大激論~」

NHKBS1スペシャル「シリーズコロナ危機 パンデミックは収束するのか~世界の専門家が大激論~」

コロナ危機について、世界の専門家が討論する…
という番組があったので見てみました。
出演されていたのは日本、ドイツ、アメリカの方々で、
韓国や台湾など、アジアの専門家はいないの?というツッコミはありつつ、
まあでも各国の状況とか、ワクチン開発の現状などが紹介されていたのはよかったかと。

出演されていたのは、
ドイツのクラウス・チヒュテクさん…パウル・エーリッヒ研究所、国のワクチンや薬の認可の仕事もされている
イギリスの渋谷健司さん…キングス・カレッジオブロンドン、WHOの事務局長上級顧問もされている
ジェフリー・シェイマンさん…コロンビア大の疫学者さん
チャールズ・パウエルさん…マウント・サイナイ医科病院で治療をされている医師の方
加藤康幸さん…国際医療福祉大学成田病院、アフリカでエボラ出血熱の治療にも当たった経験がある方
本庶佑さん…ノーベル賞医学生理学賞を受賞された研究者
いずれもリモート出演されていました。

ざざっと内容を書いてみます(本当にざざっとなので、間違いあったらすみません)

○各国の状況
 最初に、各国の感染状況についてでした。

 感染者数の推移のグラフの紹介があり、
  ドイツ、日本、韓国、台湾は一時期ピークがあったが、今は減少傾向
  イギリスは高止まり 
  アメリカは収まっているという情報はありつつ、グラフ上は横ばい
  ロシア、ブラジルは増加の一方で、まだピークが見えない

 そして、出演者に具体的な状況を聞くと
 ・アメリ
  ニューヨークのパウエルさん、疫学者のシェイマンさんによると
  ・ニューヨーク、サンフランシスコなどの大都市は、
   かつてはピークがあったが、ロックダウンなどの措置で減少傾向
  ・一方シカゴ、テキサス、テネシー州などの地方は増加しているところも
  ・州や都市ごとにばらつきがあり、
   平均して、アメリカ全体では高止まりしているように見える、と思われる
 
 ・ドイツ
  チヒュテクさんによると、
  ・隔離や社会的距離、の政策が功を奏して減少傾向にある
  ・ただし、今後は第二波が来るかもしれないのでそこは検討が必要

 ・日本
  加藤さん
  ・患者さんは確かに減っている、死亡者も少ない、医療崩壊にも至っていない
  本庶さんは
  ・100万人あたりの死亡者が、日本は5人、他国と比べると二桁少ない
  ・日本はPCR検査数が少ないので、患者数に関しては信頼性は十分でない、
   しかし死亡者数はごまかせないところがあるので、そこは信頼できる
 
 ・イギリス
  渋谷さんによると
  ・イギリスはグラフには表れていないものの、ピークは越えている

  WHOとしては
  「今後はアフリカなど途上国での拡大が懸念される、いろんな情報を共有していくべき」

○新型コロナの症状について
 次に、新型コロナの臨床的な特徴について。
 コロナウイルスによる病気は7種あり、うち4種はただの風邪だが
 SARS、MERS、今回の新型コロナのように致死率が高いものもある(MERSは死亡率34%と高いらしい)
 
 新型コロナの臨床的な特徴として、パウエルさんは
 「ARDSという、肺に水がたまる症状が起きている。
  ただ通常のARDSと比べ、
  ・無症状で急に症状が進む
  ・血液の凝固作用に異常がみられるのが特徴。
   凝固作用については、太い血管だけでなく、細い血管も詰まってしまう。
  そこで、抗凝固薬を同時投与することで効果が出ている」

 この血液の凝固作用、無症状で急激に進むことについては、
 ウイルスの専門家によると
 「サイトカインストーム」が起きているのではないか、とのこと
 「サイトカインストーム」とは、
 サイトカインが過剰に出すぎて正常な細胞に悪さをする働き。
 
 サイトカインとは、体内にウイルスが入ってきたときに分泌されるもの。
 このサイトカインが免疫細胞を呼び出し、ウイルスをやっつける。

 しかし新型コロナでは、サイトカインが異常に発生し、
 免疫細胞を暴走させ、正常な細胞を攻撃している、と考えられている

 若くて元気な人でも急激に症状が進むことがあるのは、
 この免疫異常のためではないか、と。

 「大人では症状が複雑である。
  子供については、過剰免疫、複数の臓器での炎症がみられる
  川崎病のような症状の報告がある」
 子供でも、免疫疾患の異常がみられる、と指摘する
 
 加藤さんはパウエルさんに
 「血液凝固をいち早く予防する必要があるのは分かったが、
  それをどうやって検出しているのか」
 と質問していて、
 パウエルさんは
 「我々はDダイマーという、血液中の血栓のマーカーを使っている
  (Dダイマーとは、血栓が体内でできたあと、それを分解しようとする酵素も働くが、
   その酵素の分解物の一つ。
   血栓ができた証拠になるので、血液凝固の検出マーカーとして使われている)」
 
 それを聞いて加藤さんは「大変参考になりました」と話していました

 一方シェイマンさんは
 「疫学の観点から特徴を挙げると、
  マスクや隔離で抑えられることはできる。
  ただ死亡率は結構高く、
  自覚症状がなく進むので、(元気な人が感染を広げるので)封じ込めが難しい。
  このためには検査や感染者の追跡が必要になる」

 また、彼は、アメリカでは新型コロナとしてカウントされてない死亡者がいるのではないか、と指摘。
 「超過死亡数(今年の死亡者数から、例年の死亡者数を引いた値)が多い。
  コロナで亡くなったとはなっていないが、
  敗血症など新型コロナ関連死が多いのではないか。
  これについては制度や記録の問題もある」

 それから本庶さんは
 「このウイルスは、生体側の免疫反応で症状が起きる特徴がある。
  だから人によって症状が異なる(きわめて軽症の人、一方で重篤化する人がいる)のはそのせいではないか」

 「重症化については、サイトカインの濃度をモニターすることができる。
  一方でこのウイルスはリンパ球の数が減る(リンフォペディア)の症状がみられる。
  白血球はそんなに減らないのにリンパ球は減る、この理由はまだ分かっていない」

 いずれにせよ、免疫異常がこのウイルスの起こす症状の特徴らしい。
 個人的には、本庶さんの、「症状がひどいか軽いかは、生体側の免疫反応に依存する」
 という言葉が印象的でした。
 というのは、今回の感染症は、あまりにも軽症の人と重症の人との落差が激しくて、
 なんでかな?と思っていたので。

 Nスぺでも話が出ていたが、
 個人の免疫のバランスの狂いが原因なんですね。
 そう考えると、薬やワクチン云々ではなく、我々一人一人が生活改善していくことも
 大事なのかもしれない、と思う。

○治療薬について
 次は治療薬の話。
 今はほかの病気の治療薬を新型コロナに適応する、という研究がなされていて、
 1300もの薬が登録されているらしい

 有名な薬の説明がされていました
 ・アビガン…インフルエンザの薬。RNAポリメラーゼに作用して、ウイルスのRNAの増殖を抑える
 ・レムデシベルエボラ出血熱の薬。アメリベンチャーが作ったもの。これもRNA増殖を抑える
  アメリFDAが緊急的な場合に限り使用許可。日本でも5月に特例的に使用許可
 ・アクテムラ…関節リウマチ治療薬。サイトカインストームの患者に有効(インターロイキン6、というサイトカインの一つを抑える)
  日本では5月中に臨床試験開始
 ・血漿療法…新型コロナから回復した人の血漿を取り出して投与する療法 3月にアメリカのFDAが許可、実際使っている
 ・免疫グロブリン製剤…日本ほか各国で共同開発中

 これらについて
 渋谷さん
 「これらの間接研究(既存のほかの病気に効く薬を転用すること?)は、
  スピーディーにやるのが大事なので、
  検証は重症の方に投与することが大事」
 
 本庶さんも
 「死亡率を下げることが大事なので、分かっている薬ならどんどんやった方がいい」

 一方チヒュテクさんは 
 「今は緊急の手続きを取って使っているのがほとんどだが、
  確認のためには積み重ね的な検証も必要」
 シェイマンさんも
 「臨床試験がハイペースで起きているが、
  たしかに長期的な影響には懸念がある。
  早く進めて提供したい圧力がある中で、有効に対する健全な評価が必要」

 本庶さんは
 「すでにある薬剤を使うのはやるべき」
  自身の開発したオプジーボ(がんの治療薬)も、感染症に有効という報告もあるらしい  
 (ただしこの薬は高いので実用的ではないが)  
 「免疫力を使えば症状を軽症化させることができる可能性はある、
  そういう開発も並行して行っていくべき」

 また、チヒュテクさんは薬を規制、認可する立場として
 「各国の規制当局には、今急がねばならない圧力はあるが、
  一方で薬の作用があるかないかや、副作用を理解するにはある程度時間がかかる。
  承認されている薬ならいいといわれるが、
  新型コロナで使えば思いもよらない副作用が起きることもある」

 つまり皆さんの意見をまとめると、
 ・重症化の人に対しては、緊急なので既存の薬が使えるなら使うべき
 ・一方で、軽症の人、中長期的には、本当にその薬が効くか、また安全性に問題はないか、
  をしっかり検証していくべき
 本庶さん、渋谷さん、パウエルさんなどはどんどん使うべき、とするが
 チヒュテクさんやシェイマンさんなどは早くという圧力はあっても、検証も慎重に、という立場かと。

 シェイマンさんは
 「国際協力して情報を共有しあうこと。
  政治家や評論家が雰囲気で決めてしまうこともあるが、
  科学的なエビデンスに基づくべきで、証拠がない物については急いではいけない」
 政治により左右されるのではなく、科学的な検証が必要だ、と述べていました。

○ワクチン開発について
 さて次はワクチン開発について。
 ワクチンは、ウイルスの毒性を薄める、あるいはなくしたものを体に投与して、
 ウイルスに対する抗体をあらかじめ作り、
 ウイルスが入ってきても病気を防ぐ、あるいは軽症でとどめるようにするもの

 日本の場合、赤ちゃんのときにめっちゃたくさんの種類の予防接種をします。

 しかし、ワクチン開発は難しく、
 はしかのように一回かかれば(あるいはワクチンを打てば)一生オーケーなものもあるが、 
 インフルエンザのように、毎年打たないといけないものもある

 これは、インフルエンザウイルスは変異が速いからで、
 今回のコロナウイルスも変異が速いと言われている

 そして今回の新型コロナのワクチンに関しては、
 普通、ワクチン開発は5年程度かかるが、
 今回は1年2年で作ろうとしているそうです
 
 各国の状況は
 ・アメリカ…今年3/16にシアトルで、アメリ国立衛生研究所臨床試験(安全性の確認)開始、6月に結果が出る予定
 ・中国…今年4/14発表では、複数の異なるタイプのワクチンを作っているところ
  軍事科学院の作っているものが、すでに臨床試験第二段階(有効性の確認)に入っているという情報もある
 ・イギリス…今年4/23オックスフォード大で実用化の臨床試験開始、同時に大量生産体制も作り、一気に製造できるよう準備している
 …日本はどうなの?と思うのだが、世界では開発と同時に製造も一気に進めるほどスピーディーにやっている。

 チヒュテクさんによると、ドイツは
 ・RNAワクチンの開発中、
 ・200人への試験で、有害性はないことが分かっている、
 ・今後500人に投与して有効性を確認する段階
 ・15~18か月でできるだろう

 …けっこう各国頑張ってるんだな、とびっくりしました。
 (ただこの辺の情報は日々変化していると思うので、私はあんまり確認して書いてません。
  興味のある方は日々チェックしていただければと思います)

 チヒュテクさんは
 「複数のワクチン、複数の製造業者が作られているが、
  世界全体のためにそれは必要で、そこではグローバルな協力が必要」
 渋谷さんも
 「各国が同時並行的に協調しつつ早く作っていくことが大事」
 と、協調、情報共有が大事だという。
 
 一方本庶さんは 
 「コロナのようなRNAウイルスについては、ワクチンは私は楽観していない」
 とワクチンへの期待にくぎを刺す。

 「というのはHIVウイルスは、新型コロナと同じくRNAウイルスだが、
  このワクチンは、コストや時間をかけているのにまだ成功していない」

 とはいえ、
 「インフルエンザワクチンは、効果を信じていない人も多いかもしれないが、私は効果はあると思う」
  東アジアで今回死亡率が低いのは、
  basic immune(基礎的な免疫)が高いからではないかと考えている。
  ワクチンは今まで特異的な反応と思われているが、
  一般的な免疫力を高めることはあり得る」
 ピンポイントにウイルスを攻撃するワクチンはできないかもしれないが、
 基礎免疫力を高める、という意味では有効かもしれない、と話す。

 PD-1ブロックも有効かもしれない、と話していました。
 (PD-1とは活性化T細胞の表面に発現されるたんぱく質で、
  過剰な免疫反応を抑制する働きがある。
  本庶さんの授賞理由の一つ)

 一方、集団免疫という意見もあるが
 パウエルさんは
 「集団免疫を獲得するには6、7割の人がかかることが必要だが、
  あれだけ爆発的に流行したニューヨークさえ感染率は21%、
  だから集団免疫には時間がかかる、
  集団免疫は、確立するまで大きな犠牲を払うリスクもある」
 「それに、いったん抗体を獲得すれば感染しないか、についても分かっていない、
  それが確認できて初めて、ワクチンは有効性を担保するようになる」

 チヒュテクさんも
 「集団免疫は現実的ではない」と否定的。

 それよりも、
 「社会的を取る、公衆衛生を保つことが収束させることに必要」
 「ワクチンについては、
   ・人以外の動物実験では有効なことが分かっている、
   ・他のコロナウイルスのワクチン開発の経験がすでにある、
   ・たんぱく質の抗原の構造がすでに分かっている  
   ・すでに臨床試験中のものもある
  という点で有利な面もある。
  軽症化させるだけでも良い効果がある」
 と、その他の方法を考える。

 一方渋谷さんは
 「ワクチン開発とロックダウン、あるいはスウェーデンのような集団免疫(スウェーデンは集団免疫を付ける狙いで規制が弱い)、
  など国によりいろんなアプローチがあるが、
  ロックダウンは経済の疲弊も伴う」

 「そこで皆さんにお聞きしたいのですが、
  仮にワクチンがなかなか見いだせないときにはどうしたらいいと思いますか」
 と質問していました。

 本庶さんは
 「ワクチン開発などあらゆる努力はすべきだと思うが、私は楽観的ではない。
  しかし、ワクチン開発に関心を持ってもらうことで、
  ワクチンヘジテーション(ワクチンの効果を疑う意見)をなくしたり、
  税金投与に理解を示す方向に行ってくれるといい」

 「ワクチンが成功しなかったときでも、死ぬ人を少なくすることが必要。
  免疫異常の問題点を解決する新しい治療法を確立し、
  死亡率を減らしていくうちに、
  集団免疫を確立させることもできると思う」

 ウイルスの狙い撃ちはあまり期待せず、
 免疫力異常という症状への対処をしていくことで、持ちこたえるのはどうか、
 という独特の考えを示していました
 
 パウエルさんは、
 「ワクチン開発や集団免疫獲得に時間がかかるかもしれないので、
  公衆衛生上の戦略で抑えることも重要だ。
  そのために、検査能力の拡充、検査体制の確立が必要」

 シェイマンさん
 「パウエルさんと同じで、有効な医薬品がない場合社会的距離やマスクなどの対策で
  封じ込める対策は必要」
 「中でも韓国はいいモデルで、 
  公衆衛生対策で抑え込み、患者数を減少させつつ、経済活動を維持できている」
 「検査し、陽性者とその人との接触者の行動を追跡することで、
  感染拡大を防ぐことができる」

 ワクチン開発や集団免疫に期待しすぎないで、
 行動など社会的政策、衛生対策で経済活動と共存するのがいいのでは、
 と話していました。

 …個人的には本庶さんの意見が印象的でした。
 さきほどの話にもあったが、個人の体内での免疫活動のバランスの狂いが原因なので、
 そこを薬などで補助的に治しつつ、重症化を抑えつつ、
 生活改善などをしていくのがいいのかもしれない。

 薬やワクチンもいいのだが、ウイルスが変異してしまったらどうしようもなくなるし、
 このウイルスが克服できたとしても、人間はウイルスと共存していかないといけない。
 だから、基本的な免疫力を保つ、自分の体は自分で治す(健康に保つ)
 という自覚をこのウイルスは促しているのかも、とも思う。

○国際的な協力
 ワクチン開発では、大企業製薬会社が開発する一方、
 CEPIという国際協力での開発も進んでいるそうです

 国際協力の例、その重要性の話があった後
 「国際協力でワクチンが開発されても、
  発展途上国にとっては高価で買えない問題があるが、そこはどうするのですか」
 という質問がアナウンサーさんからありました。

 WHOの渋谷さんは
 「感染症は市場の失敗で、
  ワクチンは公共財だ、という認識が必要です」
 つまり、先進国のせいで広まった面があるうえ、
 ワクチンは公共財として誰もがアクセスできるべき、
 そういう自覚が先進国に求められる、と。

 「CEPI(ワクチンを国際協力で開発するプロジェクト)や
  GAVI(発展途上国の子供たちにワクチンを進める団体)での協力が必要」

 加藤さんも
 「途上国にも目を向ける必要がある。
  今は先進国に感染が広がっているので、余裕がないかもしれないが、
  連帯、solidarityが必要だと思います」

 本庶さんも
 「ワクチンについては先進国では販売し、
  途上国に対する支援は無料でやる、そういう協調が必要。
  でないとオリンピックは開催できない」
 
 …今はアフリカに広がりつつある、という話もある。
 先進国が収まったら、そのノウハウや薬を先進国が提供することが必要だろう。

○政治と科学者との関係
 次に政治と科学との兼ね合いのお話でした。

 活動制限のあり方について、
 アメリカ、ブラジルなどの指導者は、経済活動優先の姿勢。
 一方、ドイツ、韓国は、科学の見解を重視し、国民の理解を得ている、
 として紹介されている

 チヒュテクさんは
 「ドイツでは、コロナについて(科学的に)分かったことを、透明性高く議論する動きがある。
  ウイルス学者が説明する話に、一般の人も関心を持っている。
  公衆衛生上の対策では州とも連携をとっている」
 
 国民も、科学的な説明には関心があり、
 政策やその実行と、科学とがうまく連携している、と。

 …そういえば私が少し前に見たニュース番組では、ドイツ在住の方がインタビューに答えていたのだが、
  ドイツはメルケル首相(元々東欧の物理学者さんで、理系の知識がある)が科学者の見解を重視している、
  国民もそれを信頼して安心している、ということ、
  あと、欧米では指導者が「これは戦争だ」みたいな扇動的な言葉を使いたがるが、
  ドイツはナチスの経験があるので、むしろ扇動的なことを言う政治家は信用されない、
 という話をされていて、なるほど…と思いました。歴史に学んでいるのですね。

 渋谷さんは
 「イギリスは、最初ジョンソン首相は集団免疫を獲得させる、と言っていたが、
  科学者から反発を受け、急遽ロックダウンに政策を変えた。
  科学的な方向に変えたのはいいことだが、
  初動が遅れたのが今につながっている」
 混乱がなければドイツのように抑え込まれていたかもしれない。

 一方本庶さんは日本について結構辛辣(笑)
 「日本は極めて特殊です。
  これほど科学と政治がうまくいっておらず、政府は手遅れだったのに、
  死亡率が少ないのが不思議です」
  
 「しかし、国レベルではなく知事レベルで見れば、
  きちんとしたアドバイザーとでプランを持って進んでいる、いくつかの都道府県がある。
  こういう国レベルと地方レベルでの違いも興味深いですね」
 「もっと科学者の意見を重視して、政治に反映させる仕組みが必要です」
 
 逆に言えば、国がしっかりしてないから地方が頑張っているのかも…
 江戸時代とかでも、藩単位で頑張っていた文化があるから、そのせいかもしれません。
 ただ、この国は科学は軽視されていますね…

 それから今後について。
 パウエルさん
 「ウイルスは政治の問題ではない。
  たしかに政治や経済は感染で影響を受けるが、
  一番努力すべきなのは公衆衛生的な取り組みをし、死亡率や罹患率を減らすことだ。 
  そうすれば経済活動を取り戻せる。
  あまり急ぎすぎると大変なリバウンドが起き、
  経済活動にも影響が出て、不確実さのために市場にも影響が出る」
 と、トランプ氏を批判するような言葉。

 チヒュテクさん
 「おっしゃったように、感染症は政治ではなく疫学的問題だ。
  ワクチンが完成しなくても共存しないといけない。
  社会的距離をとれば拡大を防げることは分かっているので、
  感染拡大を抑えつつ働くことはできる」

 渋谷さん、加藤さんも同意見で
 「今までは少し熱があったら働いていたが、これからは休むなど、
  生活スタイルを変えていく必要がある」

 それにからめて、コロナ後はどんな生活、世界が待っているのか、というアナウンサーさんの質問に対し
 シェイマンさんは
 「大変大事な質問です。
  今の10代~30代は大変な変換店にいるのではないか、孫にも語り継ぐようなことでしょう。
  今までの20年間、感染症はいろいろあったが、
  今回のようなパンデミックは今まで存在しなかったものと認識しないといけない」
 「今後はウイルスのモニタリングキットが必要になる世界かもしれない、
  毎朝体調を検査する必要も出てくるかもしれない」
 
 そういう時代においても、ドイツ、韓国、ニュージーランドのようなモニタリングしつつウイルスと共存する、
 というやり方を参照にすべき、と話していました
 
 チヒュテクさんも
 「ウイルスとの共存の仕方を学んでいくことが必要」
 「ドイツで感じたのは、公衆衛生上の対策は、
  具体的なものでなければならない、ということ。
  いくつかのグループに分け、脆弱な人に重点的に対策を取ることも必要」とのこと。

 …韓国が持ち上げられていますが
  個人的には、韓国の感染者追跡システムはちょっとやりすぎかな…と思うのだが、
 (感染者の個人情報が公開されてしまうので)
 Nスぺでも話があったように、
 感染者を追跡して接触者だけに情報を送る、というやり方ができるなら、
 協力者も増えて、より効果的になると思った。
 監視されてそうで気持ちいいものではないかもしれないが、
 うまく使えるテクノロジーは使っていくのが、文明の知恵だと思う。

 最後に本庶さんは
 「ワクチンができれば恐れる必要はなくなるが、
  それまでは公衆衛生上の対策でウイルスとつきあいつつ、
  共存していくシステムにしていくことが必要です」

 「例えば在宅ワークとか、ハンコのいらないシステムなどを導入していくこと。
  そうすれば、そのあとウイルスを征服できた時、
  違う世界が見えてくると思う」

 「それから、政治家や国民が、サイエンスの価値を改めて考えてくれること、
  あと医学がまだ未発達であり、努力が必要であることに気づいてくれることに期待する」

 最近では収まりつつあるというものの、
 これを機会に無駄なシステムがなくなっていけばいい、と思う。

 ただ人との直接のふれあいが大事な仕事とか活動はあると思うので、
 そこは失われてほしくないな…とは思うのだが、
 (例えば私はリモート飲み会より、やっぱり直接会う方がいいなあ。
  介護や育児もふれあいが大事ですし)
 まあでもない物ねだりしていてもしょうがないので、
 マスク、手洗い、換気、消毒など、
 やれることを粛々とやっていくほかないのかな、と思う。

 それから、サイエンスが重視されてほしい、という本庶さんの話。
 サイエンスが重視されすぎても困るのだが、
 政府の政策にも、使える科学や知識はどんどん使っていくべきだと思う。
 でないと、科学は単に趣味的なものになってしまう。
 科学者の方も、自分の研究を日常感覚では何に役立つのか…と考えつつやらないと、変な方向に行ってしまう。
 同じコスト、お金をかけるなら、みんなハッピーになる方向でやれれば、と思う。
 
 …そういえば先日、ニュースをぼーっと見ていたら
 今回の新型コロナで、日本での新しい生活様式の提案(連休明けくらいに政府から出されたもの)では、
 行動経済学の考え方が使われているそうで、へえ~と思いました。

 レジでの間隔をあけるため、1メートルおきなどで地面に貼られているテープもそうだし
 (自然と間をあける行動を促す、ナッジという手法)
 「帰省の代わりに、オンライン帰省」というのもそうらしい。なるほど。
 (禁止ではない言い方にしているので、反発が少ない)

 イギリスなんかでは、行動経済学とか自然科学の結果は、どんどん政策に使われている
 (孤独省、という省庁もありました) 
 あれくらい大胆にやってほしいなあと個人的には思います。

 …ワクチンや薬の状況などが聞けたのが収穫だった。
 まあでもいずれにせよ、距離を保つこと、マスク手洗いうがいは必要、
 あと個人の免疫バランスをいい方向にしていくこと(食事、運動、睡眠が大事だろう)
 そういう基本的なことをやっていくしかないなと感じました。

 というわけで、今回はこの辺で。