びぼうぶろぐ。

基本的に自分の備忘録のためですが、同時にどなたかのお役に立てればと思いながら書いています。

フィギュアロシア杯の羽生くんに勇気づけられました。

先週末、フィギュアのグランプリシリーズロシア杯がありました。
男子で優勝した羽生くんが、フリー直前に怪我をしていた話が話題になっていますね…

試合の様子は、テレ朝でやっていたんで、私も見てました。
そこから色々感じたことがあって、
うまいこと書けずにいたんですけど、
書き残しておきたいと思ったので書いてみます
(技術的なことはあんまわからないので、私の感性で書きます)

今回は、彼のほぼノーミスのショートもスゴいなーと思ったんですけど
(演技後、可愛らしい花束ボーイとのハグが微笑ましかった)
やはり勇気をいただいたのはフリーの演技。

フリーは日曜の夜に行われていたんですが、
我が家では私にはチャンネル権はほぼ無く(笑)
この日は家事の合間を縫って、
後半グループの6分間練習の前後だけ見てました。

私は朝の彼の怪我のことは全く知らず
実況の松岡修造さんがその情報を話していて初めて知りました。

その実況を聞きながら選手たちを見ていると、
その中でも羽生くんはいつもは他を圧倒するような気迫、オーラを感じるんですが
この日は慎重に、確かめながらジャンプしてるのかなぁ、という感じでした。
その前のアップも時間が無さそうでガーッてやってるし
(一時間入りが遅かったらしい)
音楽聞きながら頑張って声も出して、なんとか自分を奮い立たせている感じ。

…大丈夫かなぁ、と思いつつ
この日は一番滑走の友野くんの演技しか見られなかったんです。
(義母さんにチャンネル奪われた(泣))
仕方ないので、次の日早朝に録画したやつ見ましたよ。
モヤモヤしながら寝てたから、熟睡出来なかったわよ(笑)

とはいえ、この日の友野くんの演技が素晴らしかった。
ジャンプとかはまだ荒削りかなーと思ったけど、
ステップがキレキレで、世界に引き込まれた。

…で、なんだろう、この流れなら羽生くんも大丈夫、と思えたんです。
なぜか分からんけど、この二人、兄弟みたいに見えて…
(あくまで私の感覚(おそらくそう思いたいというのも混ざっていただろう)ですが…)

次の早朝に、録画で後半グループ6人の演技を見ていたんですけど
羽生くんの演技はいつもと違うなぁと感じました。
もちろん体を考慮して構成をガラリと変えていたのはあるが、
それだけじゃなくて、
なんだろう、いつもはオレの決めた道を行くぜ!みたいな鋭さがあるのだが
今回はもっと手探りな感じ。
雲とか霧を追い払いながら進んでいくような、緊張感を感じた。
なので、見てる私も「え?え?」って感じで…
プログラムの、プルさんに自分を重ねた王者の世界というより、
羽生くんそのものが出てるなという印象でした。

とはいえ最後のジャンプ(シングルアクセル)が終わると、
気迫がビシバシ伝わってきた。
イナバウアーからのつなぎの技(名前分からないんですけど、しゃがんでカーブ曲がりながら片膝立てて外側の手を鳥の羽のように広げていく技、「SEIMEI」でもやってた、あれ好きです)
スピンの連続には強さを感じた。
とくに最後の高速スピンは、
プルさんの「ニジンスキーに捧ぐ」を彷彿とさせる圧巻の技でした。

演技後の「がんばった」というような叫び、
右足をぽんと叩くしぐさ。
彼は本当に自分と戦っていたんだなぁと感じさせられた。

それから、この前のフィンランド杯ではキス&クライのあたりまで険しい表情だった(王者を演じていたのかな、という感じ)のですが
今回はリンク上の終わった瞬間からホッとした優しい表情。
ほんとに手探りでやってたんだなと思えて、
よくやったね、て後で皆さんに声をかけられていたけど、
そう言いたくなるような表情でした。

しかしながら、演技後のインタビューがかっこよすぎる。
苦笑しながら「フリーに関しては、情けない演技でした…」
足が痛いとかじゃないのね。
状況に関わらず理想を追求する姿勢にはびっくりでした。

それから「これも羽生結弦ということで…」
この言葉には、いろんなものを感じました。

なんだろう、演技直後のホッとした表情もだけど、
今回はプログラムの世界の間に、素の羽生くんも出てたなぁと感じたんです。
強さと不安と、両方が見え隠れしている感じで…

昔彼の本で「僕は精神的にもろい」と話していて、
そのときは意外だなとも思ったけど、
もろくなりそうなメンタルを、
何とか気合でバランスをとりながらやっている人なのかな、と思いました。
というか、人間誰しも、弱さも強さも持っているだろう。

今回も強さともろさの両方で揺れ動きながら、でも前に進んでいたように思う。
そんな姿に勇気をもらいました。
「それでも応援していただけたら」とも話していたけど
それでも、というより、それだからこそ、みんな応援したくなるんじゃないかな、と。

それから思ったのは、彼は「羽生結弦」という虚構を自分で作って、それを生きているのかなと。
以前のテレ朝のインタビューに
「(オータムクラシックのときに)こんなの羽生結弦じゃないと思った」「そこからスイッチが入った」
みたいな話をしていたけど、
こうあるべき理想みたいなのがあって、そこに向かって自分を作っていく人なのかな、と。

最近読んだ三木清の本には
自分の理想像を自ら創造することで、虚構を越える人間の素晴らしさ、
があったけど
こういう人のことを言うんだなぁと改めて思いました。

それからインタビューのなかでは
「練習を一回もしていなかったから不安はあったけど、やれたのは良かった」
みたいな話をしていて、
手探り的な緊張感があったのはそのせいなのかな、と思いました。

それにしても、一発勝負、ほぼ即興、別の構成でも、
完成度が高いものを創り出せるのはすごい。
それも練習の賜物なんでしょうね…

さらに後の報道では、この構成は、怪我直後に自分ですぐに考えていた、とのこと。
どんな状況でも、へこむよりもじゃあ次どうしようか、
と考えていく姿勢には学ばされるものがあります。

最後の一言も
「ファイナルに向けて、悔しさでメラメラしています」と。
怪我治そうとかじゃないのね。
どこまでもこの人はファイターだなと思いました。

でも次の日の表彰式は、松葉杖だったんですね…
しかも怪我した時点で「3週間安静」て言われていたとか。

もう無理すんなよー、とも思うのですが
彼ならやれるだけの状況で、
また思いもよらない素晴らしいものを見せてくれるんじゃないかな、と思っています。

星回り的(全然科学的ではないが)にも、
今は行きつ戻りつ、揺れ動く時期みたいですが
12/6、7あたりから本格的な飛躍の時期に入るみたいだし、
私は割と希望を持っている。
(…もちろん、焦らず。無理はしてほしくないなあ)


私は技術のことはあんまよくわかりませんが、
ほかの選手も先週のNHK杯も含めてですけど
個性がいろいろで見ていて楽しかったです。
NHK杯では、昌磨くんはもちろんだが、
 動きがきれいなマッテオ・リッツォさんとか、大人な雰囲気のセルゲイ・ボロノフさん、
 あとサムライやってたバシリエフスさんとか。
 今回のキーガン・メッシングさんとかマヨロフさんみたいなタイプも気になる)

まだフランス杯があるし
どの6人が残るのか分からないけど、また楽しみにしております。

というわけで今回はこの辺で。



…………
2018.11.30追記

彼のグランプリファイナル欠場の報道を読みました。

私も「希望は持っている」と書いてはいたが、
うーんやっぱりなぁ…と…

それにしても、
「3週間安静、1ヶ月リハビリ必要」
と言われているのにまだ全日本は諦めていない、てのがすごい。
(どう考えても計算合わないっしょ)

多分、世界選手権を念頭に(出場資格である)全日本を考えてる、てのもあるんだろうけど、
「number」のインタビューでは
それでもロシア杯フリーに出場した気持ちを
「トレーニングの成果を出したいという気持ちがあったのと、 
 開催地がロシアだった、というのもあると思う」
とあったし、
今季のプログラムについて、
「このプログラムを汚したくない、
 クリーンに滑って勝ってこそ、
 (憧れの選手たちへの)リスペストを示せる」
と語っていたから
本当にクリーンにこのプログラムを仕上げたい、
という彼の純粋な気持ち、執念があるのだろう、と思います。

諦めていない人に「無理しなくても」とも言えない、
無責任に頑張れ、とも言えない、
そこはすでに他人がどうこういう話ではない、という気がする。

できるのは祈ることだけだと思う。
(個人的には全日本出れなくても、
 体が間に合うなら世界選手権だけでも出させてあげてくれ~とは思うけど)
今シーズン終わりに彼が笑顔で納得して締めくくれる姿、
それだけをイメージしていこうと思っております。